30代後半男の惑い

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おおきくなったら

今日は娘の卒園式。
いつもなら賑やかな園内もひっそりとしていて、静かに流れているカノンが特別な日であることを感じさせる。
会場に入るとひな壇に向かって真ん中に赤い絨毯がひいてあり、両側に父兄が座っている。
遅れて入った私は狭い場所に立ち、ビデオを構えた。

卒園児入場、のアナウンスでしっかりした顔つきの子供たちが入場してくる。
娘もおねえちゃんの顔で入ってきた。
園長先生が一人一人園児の名前を呼び、卒園証書を渡す。
受け取った子供は会場に向かって、おおきくなったら何になりたいかを話す。

おおきくなったら サッカー選手に なりたい。
おおきくなったら ケーキ屋さんに なりたい。
おおきくなったら お医者さんに なりたい。
おおきくなったら お花屋さんに なりたい。

それぞれの子供に、それぞれの夢がある。

娘だ。
「おおきくなったら バレエの先生になりたい。」

少し前に聞いたときは「踊れるケーキ屋さん」だったが、目標はひとつに絞ったようだ。

赤い絨毯ロードを歩いて戻ってきた彼女は証書を立って待っている母に渡し、「ありがとう」と言う。
そして、自分の席に戻るとまた楽しそうにニコニコしている。


子供にとっては卒園はただの通過点に過ぎず、気持ちはもう小学生になることに向いている。
どの子も笑顔で希望に満ち溢れた顔だ。泣いている子なんて一人もいない。

一方、父兄席からはあちこちで鼻をすする音がする。
誰かがハンカチを目にあてようものなら周囲も一斉に同じ動作だ。

親の心子知らず、ではないが、親はみんな子供の成長がうれしい。
この涙は9割が感動の嬉し涙で1割が育つ子が自分から離れていくような寂し涙だ。

娘の顔を見てるだけで、涙がでそうになる。

だけど、私はこの記念日をビデオに収める任務遂行のため、悪環境にもくじけず、体をくの字にしながらも撮影を続けていたため、感傷にひたる暇はなかった。残念である。


自分の人生が、もう後戻りはできないように、
子供と過ごす時間も、同じように後戻りできないのだ。
どんどん歩いていく、子供たちの後姿が眩しい。

子供には無限の可能性がある。だけど、
おおきくなったら・・・元気でいてくれたらそれでいい。

自分が親になり、若かりし頃の父と母の想いをやっと知る、卒園式の夜。


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     旅立ちのあと
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by bingolgo | 2007-03-16 23:45 | 子供

happy day

初めて会った時の印象はもう覚えてないけれど、礼儀正しく真面目な青年だったような気がする。
大学生特有のふわふわと浮わついた所が全く見受けられない、物事に対する真摯な姿勢。
私とは対照的に、きちんと整理された部屋。本棚には人生を悟るための叡智がつまった書籍。
彼の涼しげな瞳はいつも澄んでいて、ひとつの目標に向かっていた。
彼は仲間であり、よきライバルでもあった。
彼は辛いときも何一つぼやかずに自分と戦い続けた。ハードな練習の間をぬって、すしボーイ(アトムボーイ??)でバイトし続けた。
そして最後まで自分のスタイルを貫いた。

社会に出て、優良企業に就職した彼は大きな決断をした。
堅実な性格の彼が安定したサラリーマン生活を捨て、全く畑違いの道へゼロから歩みだした。
再び学生となる選択。躊躇しただろうし、勇気もいっただろう。

先が見えない時期を経験していた時、どれだけ不安だっただろうか?

そんな彼は立派な指圧・按摩の先生となり、大学時代にやっていた競技ダンスがきっかけとなり素敵な女性と結婚し、そして3月13日に父親となった。



kinbousuiさん、本当におめでとう。守るべき人がまた一人ふえましたね。
あなたはよいお父さんになれると思います。
きっと、父親譲りで芯が強く優しくて、、早起きな、男の子に育つでしょう。
友達が父になり、嬉しいです。

bingolgo


kinbousuiの羅針盤 こんにちは☆赤ちゃん。
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by bingolgo | 2007-03-14 23:20

失態の連鎖

今日は自分を嫌いになりそうな一日だった。

非常に気を遣う先生からメールが届いた。
かなり厳しい要望が書かれていて私一人で対処できる内容ではなかったので、担当部署の人に相談が必要であると判断した。

「お世話になっております。いつもに増して無理難題なご要望が届きましたがご一読の上、ご指示をいただけますようお願い致します。」

と書き、転送するつもりだった。

が・・・そのまま返信してしまった。

送信ボタンを押した直後に事態に気付きパソコンの主電源を落としそうになったが、トゥーレイトである。最悪の誤送信である。宛先の確認なんてビジネスの基本の“き”だ。


即座にお詫びに向かった。まだ見ていなければ先生が見る前に「間違ってヘンなメール送ってしまったのですいませんすいません。見ないで消しちゃいましょう!」と、もみ消そうと思っていたが、到着すると先生は自分の部屋にして、パソコンに向かっていた。ジ・エンドである。

こちらは顔がひきつっていたが先生は「無理難題みたいですねぇ・・」と笑いながら言う。
事情を説明すると先生は「気にしなくていいよ、対応をよろしく」と。
呆れているのか、すぐに参上したから許してくれたのかよくわからなかったが、とりあえず怒ってはいなさそうなのでホッとした。
多分、頭がからっぽになっていたのだろう。「お邪魔しました」と一礼したあと、ドアを前にすると
コンコンと、ノックしてしまった。


絶望的な失態である。どんな言い訳の理由もみつからないだろう。
先生も「どうぞ」とは言わなかった。息をひそめて私を見ていた。


このあと、しばらくの間立ち直れなかった。
失態は連鎖する。気をつけよう。
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by bingolgo | 2007-03-13 22:35 | 惑い

人間交差点

「人間交差点」という漫画をご存知だろうか。
課長島耕作で有名な弘兼憲史氏が書いた、80年代の名作である。

私が小学生の頃、仲良かった友達の家に遊びに行くとこの単行本が置いてあった。その子の父親が好きだったのだろう。
パラパラとめくって見たが、コロコロコミックでどらえもんを楽しく読んでいる小学生にとっては暗い感じの絵と話に興味を抱けなかった。
だけど、「人間交差点」という変わった名前と物悲しい雰囲気は心にひっかかっていた。

この本のことはすっかり忘れ、20数年の月日が経ったある日、食事に寄ったお店でこの本を再び目にした。今まで読んでもいないのに、懐かしい感覚に包まれて本を手に取り、読み始める。

どの話も切ない。人間の弱さ、驕り、卑劣さ、愚かさ、それと優しさ。
どんな人にも持ちうる数々のリアルなドラマが繰り広げられていた。

一話読み終わると心を揺さぶられるような不思議な感情が湧いてくる。
この感情はストーリーにではなく、この話を書いている作者へ向かっていた。
どれほどの情念を持ち、これらの作品を描いたのだろう。
作者の魂が宿っている作品群だと思う。
人間って弱いんだよ。だから痛みがわかり優しくもなれる。
そういうメッセージが聞こえてくるようだ。

日々葛藤しながら生きていく中で、自分のことで精一杯になってしまうことがある。
だけど、すれ違う人の誰もみな同じように悩み、弱さ、葛藤を持って生きているし、捨てられない何かを抱えて生きていることだってある。
それに気付かなくなると人に対する優しさを失ってしまうだろう。
優しさも難しい。関わることだけが優しさではない。
人を傷つけることをしない、のように、しない、ということが優しさな時のほうが多いかもしれない。

人間交差点。
人はいろんな思いを持ち、人と交わる。そこでは様々な感情が交錯する。
交差点が青信号でいつも自分の感情が直進優先だと思い込まないように、気をつけたい。


と、この本を読むために週3回カレー屋に通う日々は続く。


リンク:OP企画 人間交差点(アニメ版)
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by bingolgo | 2007-03-12 23:58 | 惑い