30代後半男の惑い

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ゴルフ嫌いが多いコンペ

金曜日から米子に出張で、社内会議→宴会と進み夜は皆生温泉に宿泊した。
皆生は「かいけ」と読み、鳥取県米子市の市街地から20分ほど海に向かって走ると到着する。
宿の部屋のすぐ前が海で、ベッドに横たわると部屋中が波の音につつまれてまるで海の底で眠っている気持ちになれる。

翌日は社内ゴルフコンペが企画されており、米子に集まった我が社の社員は偉いサンの指令により全員強制参加が義務づけられていた。

土曜日の朝起きたら冷蔵庫の中にいるような寒さだった。
外に出ると大山(だいせん)のキリリとした姿が見えたが山頂はもう雪化粧であった。
向かうゴルフ場は大山の麓にあり、ここより更に寒いことが予想され私は激しく気が重くなった。

私はゴルフが趣味の人間ではない。
宴会で話題がゴルフ談義になると話題をそらそうとする側の人間である。
総勢9人のミニコンペの中で私と同じように不本意ながら参加している人間が約4人いた。
その中の一人に私のボスがいた。
ボスは健康診断により肺癌の疑いで精密検査を受けたが、先日、ただの肺の炎症であることが確定して元気な姿で登場した。
ボスは“ガンモドキ”というあだなを付けられた。

私が一緒にラウンドするはこのボスと、このコンペの幹事を務める人物であった。

身内の開会式を行っていると雨が降り始めた。
ボスは即座に“雨ですよ!もう帰りましょう。”と嬉々として提案したが、エライ人にあえなく却下された。
そうして身も凍るような雨が降り注ぐ中コンペは始まった。

3ホール目くらいまではそれなりにゴルフを楽しんでいたが、やがて雨で手の感覚がなくなり始めるとボスと私は言葉が少なくなっていった。
ボスの過激な独り言が増えていった。
“金払うから帰らせてくれ~”
“これは娯楽ちゃう、修行や~”
“前のやつら~1秒でも早く打てや~”
“(前でプレーしてるエライ人に向かって)偉そうに素振りすんなや~どうせ飛ばへんねんから早よ打てや~”

幹事はボスの暴言に眉をしかめていた。

クラブを握る手に全く感覚がなくなり、雨に濡れた体は氷のように冷たくなって、とてもプレーを楽しめる気分ではなかった。
冷たい雨はざあざあと降り続けている。
もし、ここが家で、子供がこの寒さと天候の中で、“お父さん、外で遊ぼうよ”と言ったら誰が遊ぶだろうか?
大の大人がこんな遊びをしてていいのだろうか、と真剣に思う。


そしてハーフが終了してトイレに行ったボスは怒りを覚えて戻ってきて、エライ人に直訴した。

“もうやめましょ。おしっこしようと思ったら、モノが寒さで縮こまっててドリルみたいになってました。もう体が限界や言うてます!”

周りのゴルフ反対派もボスの勇気ある提言に心を打たれ、応援した。

しかし、
エライ人は黙殺した。


午後、一等兵と二等兵は寒さで震えながら無言でゴルフをした。
私はますますゴルフが苦手になった。
ゴルフで自然を征服する醍醐味は一生わからなくてもよいと思った。
天気がいいときだけ自然と仲良くできたらそれでいい。

ゴルフ嫌い連盟はラウンドのあと、長い間お風呂で体を温め、エライ人を30分待たせた。
我らができる限りの最大の抵抗を示した。

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ラウンドが終わると晴れてきたグルフ場の景色。
かすかに大山が見えます。
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by bingolgo | 2006-12-03 00:54 | 惑い